5分でわかる!シチュエーション別 土地の名義変更の方法・手順を徹底解説

土地の名義変更~入門編~

家づくりにおいて、土地の名義変更でお悩みの方も多いのではないでしょうか?
不動産の登記は身近なものではないので、どこに相談をしたらいいのか、どのような手続きが必要で必要書類は何なのか、どういった費用がかかるのか、そもそも自分で手続きができるのかなど色々と問題が出てきます。

そもそも土地の名義変更とは、土地の所有者が変わったときに登記簿の所有者名義を変えることです。
では、土地の名義変更は絶対にしなければならないのでしょうか?法律上、しなくても問題はありませんが、名義変更をしておかないと所有権を他人に主張できませんので土地を取得したら早めにしておくことをおすすめします。なお、名義変更をしていなくても所有者であることには変わりはないので固定資産税はかかります。

一言で名義変更といっても、所有権移転の理由によって方法が異なります。
そして、所有権の移転によって土地の名義変更が必要となるケースは以下の通りです。

①相続により土地の名義変更をする場合
②生前贈与により土地の名義変更をする場合
③財産分与(離婚)により土地の名義変更をする場合
④売買により土地の名義変更をする場合

これらのケース別での名義変更の手続き方法・費用について詳しく説明していきます。

 

手続きは自分でできる?専門家に依頼した方がいい?

名義変更の手続き方法の前に、まず名義変更は自分でもできるのでしょうか?
基本的には、自分で行うことができます。しかし変更する理由によって必要書類が異なったり、土地のエリアによっては自身で管轄の法務局にて手続きすることができない可能性もあると考えられます。その場合、専門家である司法書士に相談することを検討してみましょう。
司法書士に土地の名義変更を相談するメリットとしては、自身で書類を作る必要もなく、法務局に行く必要もなく、手続きを任せることができる点です。司法書士に依頼する場合、「委任状」が必要となります。
一方、司法書士に相談するデメリットとしては、司法書士への報酬として費用がかかることです。司法書士の報酬は自由化されていますので、各司法書士によって費用は異なります。事案によっても異なりますので一律の費用ではないことが多いようです。
司法書士事務所によって、やってくれる内容も異なりますので、内容や費用・手数料の詳細は各司法書士事務所へご相談ください。

 

【ケース別】土地の名義変更をする方法~ケース① 相続による場合~

では、ケース別での名義変更の手続き方法について説明していきます。
まず、相続により土地の所有者の名義変更についてです。
相続をきっかけとして土地の取得をするには、以下の3パターンがあります。
①法定相続のケース
②遺産分割をするケース
③遺言書があるケース
相続する方法によって手続きや必要になる書類なども異なります。
それでは、相続方法別にまとめていきます。

☑法廷相続のケース
法廷相続とは、法定相続人が民法で決められた割合の財産を相続することです。そもそも法廷相続人とは民法では以下のように決められています。
基本的に、常に相続人になるのは「配偶者」です。さらに以下の1~3の方も法定相続人になる可能性があります。
①亡くなった方の「子ども」や「孫」などの直系卑属
②亡くなった方の「父母」や「祖父母」などの直系尊属
③亡くなった方の「兄弟姉妹」

①→②→③の順番で法定相続人となり、①が死亡等でいない、もしくは相続放棄をした場合には②が法定相続人となり、もしも②も死亡等でいない、もしくは相続放棄しているような場合には③が法定相続人となります。

法定相続分についてみてみましょう。法定相続人によって法定相続分が異なります。
■配偶者と子どもや孫(直系卑属)で相続する場合
・配偶者→1/2
・子ども・孫→1/2

■配偶者と親や祖父母(直系尊属)で相続する場合
・配偶者→2/3
・親・祖父母→1/3

■配偶者と兄弟姉妹で相続する場合
・配偶者→3/4
・兄弟姉妹→1/4

手続きに必要な書類は以下の通りです。
■被相続人(亡くなった方)に関する書類
・亡くなったことを記載されている「戸籍謄本」(除籍謄本)
・被相続人が生まれたときから亡くなるまでの「除籍謄本」、「改製原戸籍」など
・住民票の除票

■相続人が用意する必要書類
・戸籍謄本
・住民票
・印鑑証明書

■相続する土地に関する必要書類
・登記済権利証、もしくは登記簿謄本
・固定資産税評価証明書、もしくは固定資産税の納税通知書

以上の用意をした後に土地を管轄する法務局で名義変更の手続きを行います。なお、申請手続きするときに併せて「登記申請書」を提出する必要があります。当日法務局でバタバタしないように、期間に余裕をもって事前に登記申請書を記入して持参するようにしましょう。また手続きに関してご不明点があれば管轄の法務局に相談してみましょう。

☑遺産分割をするケース
遺産分割とは、遺言書がない状況で相続が発生し、複数の相続人が土地を共有する状態から具体的に持ち分を決めることです。法定相続分とは違った配分で相続をしたいときに必要となります。
遺産分割をするときは、相続人全員で協議をする必要はありますが、全員を集める必要はなく、電話やメールなどで協議しても特に問題ありません。
遺産分割を理由として土地の名義変更をする場合、協議したことの証明として、「遺産分割協議書」を作成する必要がありますので、遺産分割協議書が成立したら、「遺産分割協議書」を必ず作成するようにしましょう。記載する内容は決まっていませんが、以下の内容を記載することをおすすめします。

■被相続人(亡くなった方)
・氏名
・本籍
・死亡年月日

■相続人(全員分)
・氏名
・住所
・相続人との続柄

■土地について
・所在地
・広さ
・分割方法

■署名・捺印
相続人全員の署名と実印で押印する必要があります。協議書が複数枚になる場合、割印も忘れないようにしましょう。内容が確定したら相続人全員分を作成し、各自で保管してください。
なお、法務局に提出する必要があるので、土地の情報はかならず「登記事項証明書」を参考に記載すること、「相続人全員で協議した」などの文言を記載することに注意しましょう。遺産分割は、相続開始後であれば特に期限はなく、いつでも行うことができます。
しかし、家庭裁判所による調停中や相続人全員の同意の基により遺産分割を禁止する期間中など、タイミングによっては遺産分割を行えない期間があります。

そして手続きに必要な書類は以下の通りです。
■被相続人(亡くなった方)に関する書類
・亡くなったことを記載されている「戸籍謄本」(除籍謄本)
・被相続人が生まれたときから亡くなるまでの「除籍謄本」、「改製原戸籍」など
・住民票の除票

■相続人が用意する必要書類
・戸籍謄本
・住民票
・印鑑証明書
・遺言書

■相続する土地に関する必要書類
・登記済権利証、もしくは登記簿謄本
・固定資産税評価証明書、もしくは固定資産税の納税通知書

手続きは、遺産分割による名義変更と同じく土地を管轄する法務局で行います。

☑遺言書があるケース
遺言書があるケースをみてみましょう。遺言書がある場合、基本的には遺言書に書かれている内容を優先して相続登記をすることになります。遺言書は公証役場で作成したものであれば、そのまま名義変更申請の手続きすることができますが、公正証書遺言でない場合、名義変更の手続きをする前に、家庭裁判所にて「検認」の手続きをする必要があります。「検認」とは遺言書の内容が正しいかをチェックする手続きです。なお、検認にはいつまでにしなければならないという期限はありません。

手続きに必要な書類は以下の通りです。
■被相続人(亡くなった方)に関する書類
・亡くなったことを記載されている「戸籍謄本」(除籍謄本)
・被相続人が生まれたときから亡くなるまでの「除籍謄本」、「改製原戸籍」など
・住民票の除票

■相続人が用意する必要書類
・戸籍謄本
・住民票(本籍地記載が必要)
・印鑑証明書
・遺産分割協議書

■相続する土地に関する必要書類
・登記済権利証、もしくは登記簿謄本
・固定資産税評価証明書、もしくは固定資産税の納税通知書

手続きは、遺産分割による名義変更と同じく土地を管轄する法務局で行います。また手続きに関してご不明点があれば管轄の法務局に相談してみましょう。

 

~ケース② 贈与による場合~

次に、贈与を理由に取得した土地の名義変更をする場合をみてみましょう。贈与は贈与でも今回は親から子への生前贈与についてご説明します。

生前贈与を理由として土地の名義を変更するための必要書類は以下の通りです。

■贈与者(贈与する方)が用意する書類
・登記済権利証
・登記簿謄本

■受贈者(贈与を受ける方)が用意する書類
・住民票

■その他
・固定資産税評価証明書
・贈与契約書、贈与証書

贈与による土地の名義変更をする場合、土地を管轄する法務局で手続きを行います。
また贈与により土地を取得して名義変更をする場合は、大きく以下のような費用(税金)がかかります。

①登録免許税
登録免許税は、不動産の生前贈与を行うために法務局へ必要書類を提出する際に、窓口で支払う税金です。登録免許税の価格は固定資産税評価額の2%とされています。ここでいう固定資産税評価額とは、生前贈与する不動産や土地の評価額です。こちらの費用は、贈与をする人と受ける人のどちらが支払っても問題ありません。

②不動産取得税
生前贈与によって不動産を取得した場合、不動産取得税と呼ばれる都道府県税の支払いを求められます。これは不動産取得者が不動産の住所地である都道府県に、不動産取得時に一度だけ納めなければならない税金です。不動産の登記情報を変更してから、約半年後に納税通知書が郵送されてきます。納税する金額は固定資産税評価額の3%です。ただし、この税率は不動産取得時によって減る可能性もあります。

③贈与税
生前贈与をした土地の価格が110万円を超えると「贈与税」と呼ばれる費用がかかります。贈与税の税率は非常に高く、例えば生前贈与する土地の価格が5000万円を超えると、その税率は55%となり、半分以上が贈与税として税金でとられる計算になってしまうので、通常は土地を生前贈与する際にはこの贈与税がかからないようにうまく節税対策を行うことが必要となります。土地の評価は一般の方が自分で正確にもとめるのは困難なため、生前贈与しようとしている土地の価格がいくらになるかは司法書士または税理士に相談しましょう。

 

~ケース③ 財産分与による場合~

続いて、離婚時の財産分与により土地の名義変更をする場合をみてみましょう。
離婚時の財産分与を理由として土地の名義を変更するための必要書類は以下の通りです。
■現在の名義人が用意する書類
・印鑑証明書
・登記識別情報
・個性資産税評価証明書

■新しい名義人が用意する書類
・住民票

■その他
・離婚協議書や財産分与契約書など、財産分与のあったことがわかる書類
・戸籍謄本

離婚に伴う財産分与によって土地の名義変更の手続きをするときにも、対象土地を管轄する法務局にて「登記申請書」を作成して。離婚協議書などの関連書類とともに提出することになります。名義変更の手続きが無事終わったら、新しい所有者(財産分与を受けた人)に対して登記識別情報が交付されます。

また離婚に伴う財産分与により土地を取得して名義変更をする場合は、以下のような費用(税金)や手数料がかかります。
①登録免許税
登記申請をするときには、登録免許税が課税されます。財産分与を原因とする所有権移転登記では登録免許税額は固定資産評価額の2%です。通常は税額分の収入印紙を貼り付けた収入印紙貼付台紙を登記申請書に添付して納税します。

②関連書類の費用
登記の必要書類を取り寄せるときに、役所に支払う手数料が発生します。

離婚に伴う土地の名義変更の場合は、離婚成立後に登記をすることになります。財産分与登記の際には、上記税金や司法書士費用がかかります。また、不動産を譲渡する側に譲渡所得税がかかることがあります。名義変更にどのくらいの費用がかかるのかを認識しておき、夫婦間で費用の負担についても相談しておきましょう。

 

~ケース④ 売買による場合~

最後に、売買により土地の名義変更をする場合について説明していきます。
売買により土地の名義変更をするには、以下の書類を準備する必要があります。

■売主が用意する書類
・土地の登記識別情報
・印鑑証明書
・固定資産税評価証明書

■新しい名義人が用意する書類
・住民票
・売買契約書など売買契約を証明する書類

売買により土地の名義変更をする場合も、ほかの場合と同様に土地を管轄する法務局で手続きを行います。「登記申請書」を作成して、その他関連書類とともに法務局に提出します。登記が完了しましたら、新しい所有者(土地の購入者)に登記識別情報(登記済権利証)が交付されます。

また売買により土地を取得して名義変更をする場合は、以下のような費用(税金)や手数料がかかります。
①登録免許税
土地売買を理由とする登録免許税は、所有権移転登記をおこなったときに課税されます。所有権移転登記とは不動産を売買した際、元々の所有者からほかの誰かへ所有権が移動したときにおこなうものです。

②関連書類の費用
登記の必要書類を取り寄せるときに、役所に支払う手数料が発生します。

 

土地の名義変更~まとめ~

今回は、相続、贈与、離婚による財産分与、売買の4つのケース別に、土地の名義変更時に必要な書類や手続きの流れについて説明していきましたが、いかがでしたでしょうか。
基本的に、名義変更はご自身で行うことができますが、準備する書類が複雑だったり手間がかかるので、専門家である司法書士に相談するといいでしょう。

今回の記事が、これから土地の名義変更をする方の参考になれば幸いです。